すこしふしぎブックガイド

◆橙雫れき

ファンタジー系のものしか読んでなくて「すこし」の加減がわからぬ。とりあえず

・舞台が現実世界、もしくは現実世界じゃなくてもやってることがただの生活

・主要登場人物が人の形してる

・あんまりバトル色強くない

あたりを基準に選びました。

《小説》

甲田作品(Missing、断章のグリム、ノロワレ、風乃シリーズ) 甲田学人

世界のどこかでは起こっているかもしれないと思わせる生々しい描写。とはいえラノベなのでライトではあります。オススメ。

「薬屋」シリーズ(薬屋探偵妖綺譚、薬屋探偵怪綺譚) 高里椎奈

現実世界に生きる妖たちがやんややんやするミステリ。話のゴールが「事件の解決」ではないところがよい。あと少年がかわいい。

「コンビニたそがれ堂」シリーズ 村上早紀

説明不要か? 読むと心が浄化されて死にたくなる。精神的に健康じゃない時に読むとつらい。

「皐月鬼」シリーズ 田辺青蛙

人の世に生きる鬼っ子ちゃんがだんだんヒトじみてくお話。異種恋愛ならではというか、なんというか、ちぐはぐな関係性がもどかしくもあり愛しくもあり。

『世界から猫が消えたなら』 川村元気

私は犬派だけどこの話は猫じゃないと成り立たない

《絵本》

『センチメンタルサーカス』 市川晴子

サンエックスのグッズシリーズ。忘れられたおもちゃたちの1日。物は大切にしようと思う

《漫画》

『棺担ぎのクロ』 きゆづきさとこ

存在自体が不思議なのに、世界と日常はあまりに普通で足元がふわふわしてしまう。それなのに転ぶと痛い。そんな感じ。

『ひそひそ』 藤谷陽子

物や動物の声が聞こえるなんてうらやましい、でもいざ聞こえたらとても嫌かもしれない。お兄ちゃんな立場なのに大人になりきれない高校生がもえ。

『ハクメイとミコチ』 樫木祐人

小人が主人公なんてどう考えてもハイファンタジーと見せかけて描かれてるのはただの日常。

『カミツキ』 前田とも

九十九神たちやんやする話。もう九十九神って存在がそのままS(すこし)F(ふしぎ)でしょう。

『蟲師』 漆原友紀

ちなみに私はアニメから入ったクチです。

『向ヒ兎堂日記』 鷹野久

登場人物が純粋な人間じゃないだけでストーリー展開はド●えもんと一緒。

『ばけもの町のヒトビト』 くまのとおる

ふしぎな生き物にあまりに普通に生活されると驚いてしまう。ただ、こちらは転んでも痛くない。

『迷子屋』 木村りん

忘れたいを許さないのはすごく残酷だと思うけど、やっぱりどれもこれもずっと抱えていけたら素敵なのです。

『ミミツキ』 相川有

なにもできなくても、いるだけで。絆の強さがものをいう、おだやかなおはなし。

 

藤沢静雄

『ARIA 』(および、その前作である『AQUA』) 天野こずえ

ARIA は近未来、火星に再現された水の都「ネオ・ヴェネツィア」でプロの水先案内人(ゴンドラ乗り)を目指す少女の日常を描いた物語で、SF要素は殆んどありません。しかし、地球や火星の気象・重力は機械が調整している(ただし火星の機械はほぼ手動)ことなど、現代との違いが超簡単に紹介されます。また、科学が進歩しても昔の地球の文化は火星の人々に受け継がれ、大切にされている様子も描かれています。同時に科学では説明できない不可思議なものも登場します。そんな少し不思議な世界で、主人公が様々な素敵なものと出逢い、別れながら、本当に大切なものを手に入れて成長していく姿が、本作の最大の魅力だと思います。興味を持たれた方は是非とも、お手にとって見てください。

 

鳥谷

『詩』 レイ・ブラットベリ

詩を書くことによって現実を変える力を得た男と、それと共に暮らしている女の結末までを描いた短編。一軒家という限られた舞台で話が展開し、その中で取り返しがつかない方へと進んで行くのがわかり、面白く読みやすい作品。

 

長谷潤子

『ミノタウルスの皿』 藤子・F・不二雄

わたしたちの揺るぎないアタリマエを根底から覆す短編漫画。

 

長尾早苗

『Z境』 水無田気流

現代詩で「すこし・ふしぎ」を挙げるなら、水無田気流さんの詩集かな、と思います。社会科学に基づいた近未来的な詩が好きです。水無田さん自身のリーディングも「すこし・ふしぎ」で、感動しました。

 

『らんま1/2』 高橋留美子

水を被ると女に変身してしまう乱馬が、「完全な男に戻りたい」と言いつつも女になってしまう体質を利用して様々な事件に挑んだり自らの企て(笑)を成功させようとする姿が何だか憎めなくて、子どもの頃から好きな作品です。普段は3の線が強い乱馬も、強大な敵と戦うシーンだったりいつも口喧嘩ばかりしている許嫁のあかねを助けようとするシーンはすごく男前で、そのギャップに女子はキュンとさせられると思います。

 

暁 壊

『神々のワード・プロセッサ』 スティーブン・キング

主人公が必ずしも善人とは言えないから。多少は思い切れる人じゃないと幸せは掴めないよ、という、感動ものに見せかけた皮肉が効いている。

『しなやかな銃弾のバラード』 スティーブン・キング

小説を書き上げたことのある人なら、絶対にドキッとする内容。すこしふしぎで、とても怖い話。